ION管理モジュール(ION=アイオン)は1スロット設計のカード基板で、IONシャーシ内収納されているカード群を一元管理することができます。管理方法はローカル・コンソール、TCP/IPによるリモートSSH、WebUIによるブラウザ管理、SNMP管理、もしくはWindows OS上で実行できるJRE(Java)プログラムによる管理から任意の物を選択できます。キャリア・クラス対応のインバンド管理NID(ネットワーク・インターフェース・デバイス)がある場合は、IONMMを経由せず(またはIONMMからの一元管理時でも)メディアコンバータ機能のうち、光ファイバ経路を利用して、対向先にあるION互換カードまたは単体型NIDの設定と管理をすることもできます。
通常IONMMは、シャーシのバックプレーンに直接接続し、同じIONシャーシ内に接続されたそれぞれのIONカードと通信したり、管理トラフィックは、各通信カード自体の通信トラフィックとは異なる伝送経路を用いることで、通信トラフィックから隔離されますので、管理機能側の設定ミスや管理不能となったとしても、通信カードの本来の役目の通信機能を維持するために、IONシャーシのバックプレーンを介して送信されます。各種通信モジュールが送受信するデータ(お客様のデータ)は、バックプレーン上のトラフィックとは共有されません。その他すべてのIONカードの目的は、様々なデバイスとのネットワーク・インターフェースを提供することです。
IONシャーシ用の各カードは、特定の機能をIONMM経由で 制御することができる機能を持っています。ネットワーク管理者が設定し、IONMM 経由のリモ-ト IONモジュールのトラブルシューティングと監視を行うことができます。管理情報へのリモートアクセスは技術スタッフの派遣による現場コストを削減し、通信障害が発生した場合、詳細なSNMPトラップを受信することにより、障害発生箇所を見つけ出すことによって、平均故障時間を低下させることができます。
管理モジュール使用のデメリット
管理モジュール(IPアドレスを有するデバイス)があることで、導入場所によってはサイバー・セキュリティ・ホールになり得る事です。なお、メディアコンバータ側の通信トラフィックとは物理的に分離しているため、必ずしもリスクがある訳ではありません。
管理モジュールが無くても、マネージド・シャーシである19枚のカードを収納可能なION219シャーシ、または6枚のカードに対応しているION106シャーシでは、2つの電源モジュールを搭載することで、冗長電源の構成が可能であり、故障などのトラブル発生時にも、(素人)常勤警備員などによるトラブルシューティング手順により、カード型メディアコンバータの表示LEDの状態によって、故障しているカードを見分けることが出来ますので、それぞれ予備品のカードにホットスワップすることにより、接続障害は解決できるようになっています。
管理アクセスの様々な方法を提供
コンソールポート(USBまたはRJ-45ポート)による管理
USBポートにて、端末エミュレーション・プログラム(ハイパーターミナル、TeraTerm、Putty64など)を実行して、ローカル接続されたワークステーションを介してコマンドライン・インタフェース(CLI)にアクセスすることによってIONMMを管理できます。但し、一部のカード・モジュールまたは電源モジュールのコンフィグレーションはCLIコマンドだけでは完結できず、Webページ経由での操作を必要とするものがあります。
2つのLANポート(最大100M)による管理 その1:SSHv2
2つのEthernetポートのどちらかに接続したEthernet経由にて、リモート接続されたワークステーションを介してSSH接続によるコマンドライン・インタフェース(CLI)にアクセスすることによってIONMMを管理できます。但し、一部のカード・モジュールまたは電源モジュールのコンフィグレーションはCLIコマンドだけでは完結できず、Web経由での操作を必要とするものがあります。
2つのLANポート(最大100M)による管理 その2:Javaプログラムによる管理
2つのEthernetポートのどちらかに接続したEthernet経由にて、リモート接続されたワークステーション上で実行中のJavaを介してIONMMのグラフィカル・ユーザ・インターフェース(focalpoint3.1=fp3.1)にアクセスして管理することができます。fp3.1とweb管理で異なる点は、シャーシ一覧表示時にグラフィカルで可視化できるか、テキストのみかの点のと、SNMPトラップ・ビューワを管理PCで受信できる点です。
2つのLANポート(最大100M)による管理 その3:SNMP管理ソフトウェアによる管理
2つのEthernetポートのどちらかに接続したUDPネットワーク経由にて、簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP) を介してIONプラットフォームを管理するユーザーに対して、publicおよびprivate 管理情報(MIB)の両方を統合して使用することができます。サードパーティ製のSNMP管理ソフトウェアを利用することが出来ます。